10人が本棚に入れています
本棚に追加
ep1【タナトゥス危機】
ーーヨーロッパ某所。共和制国家アブドキア、西タナトゥス。
この地は人種・宗教問題からなる一連の争いによって長きに渡り紛争やテロが絶えず、治安は著しく損なわれていた。
さらに悪化させることとなった要因がある。それは、軍事クーデターだ。
これにより当時大統領であったムルシエルが拘束され、新大統領には陸軍大将のアルデバラムが就任し、軍事政権が発足された。
ここでとうとうアブドキア軍勢力と、反アルデバラムを掲げるレジスタンス傭兵そして民間人から構成される武装集団ザガートとの対立は激化の一途を辿り始めた。
しかしまた新たな火種を生み出したのが二大国の後ろ盾であった。
多大なる後ろ盾を受けながらザガートが一気に勢力を増すと、それに対抗するようにもう一つの大国はアブドキア軍の援助をし始めたのだ。
これにより大国の保有する豊富な殺戮兵器こそ使われぬものの、派遣された軍隊や供された武器により益々激しい死屍累々たる戦場に変貌していったのである。
これを世界では、代理戦争もしくはタナトゥス危機と呼んだ……。
とうとう劣勢を喫したザガートは常時戦闘員ではない子供までを戦力として利用。
最初のコメントを投稿しよう!