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俺はもともと、この戦争に駆り出された民間人を、特に子供達を救いたかった。無用に民間人たちを巻き込む危険な組織からな。
だが……っはは。現実は甘くないってやつだ。
軍と支援国のしてきたことこそは凄惨なものだと、ことあたっていくうちに分かった。それは人道的にも生物的にもだ。んなもんすぐに攻勢も変わる。
だが俺にとって一番予想外だったのはお前らだ。正直油断していた。ったく、まさかだった……お前らには嫌というほど、散々仲間がやられたんだ。
いいか、あのな……。
俺は、本当なら今ここでお前の腸を引きずり出して歯を一本ずつ抜いて殺してやりたいところなんだ! いやそれだけじゃ足りないぐらいだ!!
あいつらのためにっ……でもそれは違う。分かってんだよあいつらのためになんてならないってのは!
クソッ……こんな平和ボケした老いぼれ聖人みたいなことは言いたかないが。結局は俺もお前もそしてあいつらも、被害者なんだみんな。起こらなくていい争いの、被害者だ……だから俺にはまだやるべきことがある」
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