15. 集結

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その問いで思わず葵さんをガン見してしまった。僕と同じ感情なのか、それとも僕の心を読んだのかは分からない。 けど、小っ恥ずかしさを押し殺して正直に「はい」と言えたことが、もしかしたらこの後の行動を変えられたのかもしれない。 「よーし!みんな!リフレッシュがてら海でも行きますか!」 葵さんの提案は、これまた唐突だった。唐突すぎたのか、女子二人はポカンとした表情でこちらを見つめる。 「海ー?」 「私は良いですけど、どうやって行くんですか?」 「それは勿論、私の車でよ!」 葵さんが指差す先には、見覚えのある車が一台。 あの可愛らしいフォルムが、野球観戦と、文化祭での記憶を蘇らせる。 そうか、あの時はよく分からなかったけど、あの無意味そうな会話は今日この日の為だったのか——。 「なんか……中、随分狭そうですけど、大丈夫ですか?」 「だ、大丈夫よカオちゃん!これでも一応——」 「『普通車』ですもんね、葵さん」 えっ?となりハッ!としてグッとする葵さんに合わせて、僕もグッと右手を送り返した。
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