15. 集結

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葵さんが厨房へ駆け込んで行った後、じわじわと脳が実感している。 本当に、できたんだと。日常で初めて、自分のやっている勉強が、役に立った……物理というものを初めて、現実で『楽しい』と……。 「はい持ってきました!浩二くん食べてみて!」 ソッコーで戻ってきた葵さんは、しっかり湯気の出た塩ラーメンを勢いよく浩二の目の前に置いた。どこからどう見ても、見た目にはその違いなんて分からない。 「いただきます!…………うん!フツーにうめえっスよ!スープも熱いし!」 「ちょっと私も食べていい?秋山くん何でも美味しいって言うから心配だわ」 「ちょ!?」 「…………うん、問題ないですね」 「良かったー!これがOKなら相当効率良くなるよ!」 「役に立ったなら、何よりです」 この、感じたことのない高揚感は、しばらく僕の脳内に残ることだろう。 きっと、僕が気付かないだけで、もっともっとリンクする瞬間はある。その瞬間をもっと見つけたいし、伝えたい。そう思った。
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