15. 集結

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およそ二時間後の外気はかなり澄んでいて、扉を開けた途端その空気が全身を包み込んだ。 火照った体を心地よく冷まし、鼻から吸った空気が後味を良くする。 「やべえ、吐きそう……」 心地良くなさそうな奴が若干一名……そのうち元通りになるだろう。ここまでが徒歩なだけに、すぐ駅までは帰れそうにはないけど。 「残り十分であんだけ詰め込んだら当然よ」 「秋山くん大丈夫?歩ける?」 「今は無理。百歩目くらいで吐く」 「じゃあとりあえず九十九歩歩いてくれる?」 「ちょ!?」 自然と笑みが溢れてしまうこの光景。しゃがんで背中をさする彼女に、腕組みをして立つ和田さん。 少し離れたところで突っ立っている僕も含めて——。 「楽しかったね」 いつの間にか真横に居た葵さんが、笑顔で呟いた。言葉と共に爽やかなミントが香る。 「そうですね」 「なんか、物足りなくない?」 「……えっ!?」
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