3. 変化

14/40
前へ
/484ページ
次へ
コイツにはつくづく驚かされる。 スピーディーなお会計の、あの一瞬の一体どこにそんなやり取りをする時間があるというのか。 チリも積もればということは、毎回一言二言を積み上げてそこまで至ったということか?もし仮にこれで付き合うまでに至れば、ちょっとした短編小説にでもできそうだ。 「でも、いきなり岩盤浴って、流石にちょっとハードル高くない?」 「それもちょい思ったけど、ぶっ飛んでる方がインパクトあって逆にイイさ」 「そんなもんかなあ……そもそも、岩盤浴の施設なんて近場にあるの?」 「お前知らんのか?海沿いにでっかいとこあるぞ。駅から無料のシャトルバスも出てる。岩盤浴と温泉、ゲーセン、映画館、レストランとか集まった複合施設や。お前も一回行ってみ」 いや、それなら映画館とかゲーセンに誘った方がいいだろ……と思ったけど、僕はもう何も言わなかった。 その後、浩二が近くにいたクラスの女子に、初デート岩盤浴ありよな?と聞いて「無い」と即答されていたのを聞いて、僕は俯いて笑いを堪えるのに苦労した。
/484ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加