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「そういや、店員さんの名前と歳は知ってるの?」
駅へ向かうバスの中、再びその手の話になった。
テスト週間に入ったために、しばらく部活は休みだ。部活が無い日は、大体浩二と塾へ行くのが通例になっている。
「あおいさんって名前や。草冠に癸で葵。名前から既に可愛いだろ?つーか、そんなもん名札見りゃ分かるだろ」
「普通みずのとって言われても通じないし、いちいち名札なんて意識して見ないよ」
「え、そうか?歳は一学年上でまだ十八だな。すぐ近くの市立大に通ってるらしい」
「……その辺の情報も全部お会計時に聞き出したのか?」
もち、と浩二は右手でグッドサインを送ってくる。一歩間違えればただの鬱陶しい客だけど、浩二のことだ。その辺の空気はちゃんと読んだ上での判断だろう。
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