あと三分で喰えますか?

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 家に帰ると、父親も母親もいなかった。  無意識に少年は安堵の息を漏らす。  床へ無造作に買ったものを投げる。  コンビニの弁当。  温めるのが面倒だから、つけ麺を選んだ。 「あーさみぃ」  適当な場所で、  適当に弁当を開けて  そのまま食う。  テーブルなんてない。  生活感の欠けた部屋で  少年はそのまま住んでいた。 「まずくね」  ただ、飲み込むこと  それだけに意識を向けることにした。  両親とご飯を食べることはない。 そもそも、この家に両親は帰ってくるのではなく、  やってくるのだ。  忙しいとは言いながら  忙しいわけでは無いことを少年は知っていた。  両親は共に別の家庭を持っているのだ。 「何なんだよ、あのおっさん」  少年はバレないように  小さく鼻をすすった。
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