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な訳で踏んづけクリスマス衣装で授業を受けているとみんなパシャパシャとスマホで撮影してくる。踏んづけクリスマスの衣装ってミニスカ多いから、椅子に座ってると見えるんじゃないかとちょっと怖いな。まぁ今は女体化してるときは伊織先生が大量に俺に送りつけた女性もののパンツ履いてるから可愛くは見えるだろうけど。
休憩時間になると、みんなそれぞれお気に入りのにょたチョコ男子を撮影に駆けていく。それで聞いたのだが、アッキーとマッキーも忍び込んでいて二人を見つけられたらラッキーだなんてゲームも始まっている。なんで俺の学校が遊び場になるの?
「ああ。遊んだ遊んだ」
タッくんがそう呟く放課後、とりあえず関係者はみんな俺の教室に集まった。踏んづけクリスマスの衣装なんて着てるからもちろんこのあとは撮影だ。
「あ。それと伊織先生から伝言で試したいことの効果を確認するために今日はみんなバラバラでスタジオに来てほしいそうだよ。では、私はいっぺん出版社に戻るから」
本乃編集長は教室を出ていった。
「じゃあみんなまたあとで」
うたうものさんがそう言ってから、みんなバラバラに出ていく。最後に残ったのは俺。伊織先生の試したいことって何だろう?
とか思っていたら俺のスマホが鳴る。親父からだ。
「もしもし親父?」
「瑠璃! 母さんの陣痛がはじまった! 早く病院においで!」
「本当!? 撮影あるんだけど……」
「伊織先生だって分かってるから! 母さんの側に来なさい!」
「分かった!」
俺は通話を切って駆け出して学校を出た。周りに人はいない。その中、朝いた車の横を通ろうとしたとき、車のドアが開いた。その中からいきなり布を持った手が俺の顔を覆う。
「え……」
俺の意識が遠のく。そのまま俺は車に押し込められた。
気が遠くなる。
俺は……誘拐されてしまったんだ。
次回、十二月の最終回に続く。
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