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まぁ文句言っても仕方ないので、俺とげたんわくんは校長がわざわざ用意してくれたにょたチョコ男子更衣室に向かう。
「あ、可愛い」
衣装を見てついそう呟く。
「可愛いなぁ。てか、ムキムキの俺はなんで需要あるんだろう?」
「げたんわくんは、やっぱり希少価値じゃない? ムキムキにょたチョコ男子アイドルとかかなりレアだもん」
「唯一無二?」
「多分ね」
適当に返したが俺だって分からないよ。だが、げたんわくんを推しにょたにしている人は確実にいる。
着替え終わり、更衣室を出るといきなりカメラのフラッシュを浴びた。
「瑠璃ちゃーーん! 今日も可愛いよ! 瑠璃ちゃんは学校いるときは男の姿も多いから女体化はカメラに収めなきゃ!」
「校長……。俺、高いからね?」
「へ?」
「盗み撮りだよね? 高いよ?」
「え?」
「財布出して?」
「う……」
大人しく財布を出した校長の財布から俺は三枚ほどお札を抜く。
「あのね、校長、許可は取ろうね? でなきゃ出るとこ出るからね? 間違いなく俺勝つからね?」
「はい……。お金渡したから撮ってもいいですか……?くすん」
「いいよ。可愛く撮ってね」
そこでポーズをとる。あざとく生きるに必要なのはアメとムチなんだよ。
「えと……あの……他の教師とか生徒もにょたチョコ男子のみんなを撮ってもいいかなーなんて……伊織先生から許可はもらってるんだけど……」
「いいよ別に。そのために衣装着せられたんだから」
「じゃああの……さっきのお札は……」
「校長が俺にお小遣いくれたんだよね?」
「……はい……」
あざとく生きるのに必要なのはアメとムチだ。横でげたんわくんがスゲーと感心していた。
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