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しばらくして目を開いた司祭は、後ろをふり向いた。
金色の織物で飾られた壁の前に、三人の少年たちと、三人の兵士たちが、交互に並んで立っていた。
少年たちは、年のころは十歳前後。みな美少年だ。司祭と同じデザインの白い服を着ている。たぶん、この星の宗教服なのだろう。
一方、兵士たちはサーベルを腰にさげ、胴と腰を保護する鎧を身につけている。
司祭がふり向くと、右端に立っていた少年がさっと顔をこわばらせた。
司祭は、彼のとなりに立っている兵士に向かって、
「連れて行きなさい」
と、毅然とした調子で命令した。
兵士は「はっ」と答え、となりの少年の腕をつかんだ。少年は明らかに青ざめていた。兵士は犯罪者を連行するように少年をつれて、部屋を出ていった。
その様子が殺伐としていたせいだろう、部屋のなかに沈黙がおりた。
沈黙を破ったのは、司祭の声だった。彼はにこやかに笑みを浮かべて、こう言った。
「さてみなさん、少々お待ちいただけますかな。いまから、とびきりのミートシチューを作らせますので。そうそう、料理が出てくるまでの間、わたしに、この星の歴史など語らせてください。おお、どうしたのかな? ハープの手が止まっているではないか」
司祭はおどけたように、部屋の横手へ合図する。
そこは床より一段高い、小さなステージとなっている。中央には、ピンク色のドレスに身を包んだ女性が椅子に腰かけ、大きなハープをかかえていた。女性は司祭に言われてハッとした様子だった。いつの間にか演奏の手を止めていたのだった。
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