2人が本棚に入れています
本棚に追加
1
あの時、俺が伸ばした手が、もう数センチ長かったら、あなたの手を掴めていたのだろうか。
あの時、あなたの歩幅が、もう数センチ狭かったら、俺の足は追いつくことが出来たのだろうか。
あの時、俺の声が、もう少し大きかったら、あなたの耳に届いたのだろうか。
あの時、あなたの気持ちが、もう少し漏れていたら、俺の心に届いていたのだろか。
あの時・・・。
もう何度、「あの時」を繰り返しても、あの時には戻らない。
そんな事、知りたく無くても、分かっている。
分かりたく無くても、知っている。
今、あなたが、俺の側に居ない事実が、現実だ。
こんなに長い間、後悔の中で生きるなんて、「時間が傷を癒す。」なんて嘘だ。
こんな俺を救い出してくれるのは、きっと、絶対、あなたしかいない。
最初のコメントを投稿しよう!