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「なにぃ?あいつ他人の顔の事言えるツラかよ!
なにがもう少しだけかわいかったら、だよ!
あーなんかアタシの方があったま来ちゃったよ!」
「違う違う!もう少しだけかわいかったら、じゃなくって、
もう少しだけ可愛げがあったら、だよ。
一文字かけただけで全然意味違うから」
銀杏並木の下で怒りの形相で立ち止った親友・花梨だったが、
私が彼女の間違いを指摘すると、なぁんだ、と
徐々に空気の抜ける風船のように体の力を抜いていった。
再び歩き出しながら、何かに気付いたように首を傾げ、再び口を開いた。
「可愛げ・・それもそれで失礼じゃない?」
私は無言のまま意味なく花梨に笑顔を見せた。
「で、それが別れの理由なの?」
その問いに答える前に、並木通りにあるコーヒースタンドで
テイクアウトのコーヒーを買い、そこに座ろうよと
店の前のベンチを指差した。
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