神様と顔

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 どうして俺はモテないんだろう……?  鏡を前にすると、いつもそう思って悲しい気分になってしまう。  社会人になって一人暮らしをしている今も、学生時代も、幼稚園児だった時分も、少しもモテたためしがなかった。  いまさら整形手術なんて受けてみる気はないし、そんなお金の余裕もない。  俺は決して金持ちなどではなく、ただの貧乏サラリーマンなのだ。  不思議なことに両親は息子の俺から見ても、そこそこのレベルの顔だと思う。  どういうわけか、その遺伝子を受け継いでいるはずの俺の顔のレベルは決して高くない。いや低すぎると言っていいだろう。  他人の素敵な顔を見ると羨ましくて仕方がない。  俺の知る限り、周囲の友人たちは顔には恵まれている。  恋人や伴侶を持った者はたくさんいるのに、どうして俺だけが、こんな貧相で醜い顔をしているのか。  ヒゲ剃りをする時、顔を洗う時、鏡を見るのが重圧と苦痛になっていた。  鏡を見るたび、劣等感とモテている者への激しい嫉妬に苛まれるのだ。  ある夏の夜、妙な夢を見た。  夢の中でも俺は鏡をじっと眺めて、自分の顔について悩みのため息をついていた。
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