神様と顔

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 そこに白髪の上品そうな老人が現れた。  老人は厳かに言った。 「突然、驚かせてすまない。私はお前たち人間が神と呼び崇める存在である」 「神様……ですか?」  俺は呆然として、聞き返した。 「その通りだ」 「神様が俺なんかに何の用ですか?」  神様は俺の顔をまっすぐ指さした。 「お前は自分の容姿、特に顔について深い悩みを持っているだろう」  ずばり指摘されて、俺は小さく頷くことしかできなかった。 「はい……。子供の頃からずっと自分の顔について悩んできました」 「そんなお前に一度だけチャンスをやろう」 「チャンス?」 「私の力で、お前の顔を別の人間の顔に変えることができる。どうだ? 変えてみるか?」 「ほ、本当ですか」  ついにこの醜い顔とおさらばするチャンスが巡ってきたのか。  神様は深く頷いた。 「うむ。どんな顔にも変えられるぞ」 「お願いします。変えてください」 「どんな顔にしてもらいたいのだ?」  そこで、夢の中の俺はじっくりと考えた。  どんな顔にしてもらえばいいんだろう……?  どうせならイケメンがいいなあ。  そうだ、あの顔にしよう。
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