神様と顔

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 しかし、例のイケメン俳優の顔でもない。  見たことがない、あまり人相のよくない顔になっていたのだ。  そんなバカな……。  神様は何かを間違えたのだろうか。  この男は一体誰なんだ?  知らない男の顔になってしまったが、とりあえず気を取り直して、会社に行かなくてはと思い立った。  上司や同僚は、俺だとわからないだろう。どうやって説明すればいいのか、さっぱり見当がつかない。  そんな心配をしながら、朝食を食べ、着替えをして外へ出た。  道すがら、通学途中の女子高生二人組とすれ違った。  女子高生たちは俺の顔を見るなり、眉をひそめた。  どうやら、俺の感じた通り、あまり見た目のよい顔ではないようだ。  駅までの道のり、途中に例のデパートがある。  一階の入り口のドアを見た俺は、度肝を抜かれた。  そこにあのイケメン俳優のポスターは、貼っていなかった。すでに剥がされたらしい。  代わりに貼ってあったのは、先ほど鏡の中で見たばかりの俺の現在の顔がアップになったポスターだった。  そこには大きな赤いフォントで「この顔にピンと来たら110番」と印刷されている。
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