走り出す〜かんだがわ〜

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 そのまま服を脱いで、身体を洗ってからみんなで湯船に浸かりました。  「ふう、極楽極楽。たまには、足を伸ばせるお風呂もいいねえ!」  と、健太郎さんが言いましたが…。宇賀神家の湯船は、高校生でも余裕で足伸ばせる大きさなんですよね。今でも、たまに兄貴と一緒に入ってあれやこれや…。いけない、心頭滅却!  「ってか、せっかくの銭湯回なのに巨乳がいねーよな。目々澤先生呼ぼうぜ目々澤先生!」  龍之介が言いました。母親の前では大人しくしていたと思ったら、久々の発言がそれかい。BL小説なんだから、乳とか必要ないしさ。  「翠山みたいな事、言ってんじゃねーよ。仮に今先生が来たとしても、女湯に入るんだから意味ねーだろ?」  「えー?でも、そこにいるって思っただけで想像の余地が膨らむじゃん。乳だけに。うちのかーちゃんもそこまで小さいわけじゃないのに、何かすごい幸薄そうなんだよな。こう、硬そうな乳って言うかさ」  「龍之介ェ!聞こえてんぞゴラァ!てめえ、風呂上がったら覚悟しとけよ!」  女湯の方から、例の死にそうな母親の怒声が響きました。こちらが、元レディース総長としての本性なのでしょうね。  と言うか、このまま大声で乳の話でも続けられては周りの客に迷惑。風呂に入ってまだそれほど経っていませんが、サウナに移動…と言うか隔離させることにしました。
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