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病院から帰宅すると、すでに帰っていた妻に、エアコンを切ってどこに行っていたのかと問いただしたが、妻は何も言わなかった。
いや、どこに行っていたかなんて、この際どうでもいい。
なぜ、ウサギがいるというのに、エアコンを切って出掛けたのか、それが問題だった。
妻にウサギの死を告げると、いくら自分のせいだとはいえ、妻は失意の底にいたまま、症状はさらに悪化していった。
妻は気の優しい女性だったが、ありもしない幻影に怯え、やましいことなど何一つなかった私は浮気を疑われ、一度キレると手が付けられなくなったりもした。
私達に子供でもいたら、また違っていたのかもしれないが、あれがウサギではなく、子供だったら……と思うと、本当に恐ろしくなってくる。
視線を落とした私は、薬指の指輪を見つめた。
今も指輪をはずせずにいたが、妻がああなってしまったのは……私のせいだ。
私は、そう自分を責め続けていた。
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