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第16話
その日、休みだった私は、こども動物園に来ていた。
今では仕事が休みのたびに、ここに通っている。
童心に帰ったように、なんの悩みもなさそうな動物達を眺め、自然と矢吹の姿を探しては少し会話をする、そんなことを繰り返していた。
「小塚さん、明後日なんですけど空いてますか?」
明後日といえば……九月二十日、か。
「その日は仕事ですが、終わってからは特に何もないので大丈夫ですよ」
「あぁ、よかった。明後日は希里亜の誕生日なんです。ちょっとしたお誕生日会をやりますので、もしよろしければ来ませんか? あの子も喜ぶと思います」
……え?
明後日が、希里亜の……誕生日?
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