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第18話
パトカーと救急車が到着すると、私は第一発見者として身元確認をされた。
部屋に戻って免許証を提示し、知っていることのすべてを話したが、身元を照会している警察官が私をジッと見ている。
私が元警察官だと分かったのだろう。
いや、それだけではない。
過去にあった事件も知られたはずだ。
矢吹を抱きかかえたせいで、私の服と両手は血だらけだった。
あの時と……同じだ。
そんな私に、警察官は部屋を見せろと言ってきた。
何もやましいことのない私は、部屋の隅々にまで警察官を案内した。
案の定、ここには希里亜もいなければ、凶器となったものもあるはずがなく、警察官は私をひと睨みしている。
「すみませんが、署までご同行願えますか?」
任意の取り調べだ。
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