第23話

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「都和、……都和!」  倒れていく都和を支え、その喉元を押さえながら、私は何度も妻の名を叫んだ。  床に広がっていく血だまりが、そこに落ちているサルビアの花びらをさらに赤く染めていく。  私は……また妻を死なせてしまった。  一度ならず、二度までも救えなかった。  私は、床に落ちた血に染まる包丁を見つめた。  ここですべての過ちを背負い、都和のあとを追って私も……。  何度もそう頭によぎったが、結局、私はそれを手にすることができなかった。  小さな身体を抱き締めたまま、その勇気も持てなかった私は、自分の無力さを呪うしかない。  いや、こんな私でも……できることがたった一つだけある。
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