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第24話
私は、警察へ通報した。
矢吹を殺し、その娘の希里亜をも殺した……と。
その後、矢吹母娘の事件は、隣人である私が痴情のもつれから、矢吹母娘を殺したと報じられたことだろう。
その場で逮捕された私は、二人を殺したという以外は黙秘を貫いていた。
二人を殺していないのは紛れもない事実だが、確定するだろう有罪を私は甘んじて受け入れるつもりだ。
万が一にも、ここで真実を言ったところで、誰も信じてくれないだろうし、私もそれを口にしたくなかった。
今まで私が犯した罪を償うには、これしかないのだから。
しかし、私の自白は立証されなかった。
凶器となった包丁に付いていた指紋の順番、矢吹の刺し傷の角度、希里亜の喉の傷など、鑑識による検証で明らかになったのは、希里亜が母親を刺して自殺を遂げた、という事実だった。
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