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百代と猫耳パーカーの顔を見る。アイツらはアイツらで守るべきものを守るために行動したんだ。俺だって久三男や弥平が危機に陥っていたら、たとえ自分の立場とか関係なく助けに向かうし、御玲が遠い場所で死にかけていたらなにもかもをかなぐり捨ててでも御玲を救い出しに行く。
モモヨとかいう奴も同じように、妹の猫耳パーカーが危機だったからこそルール違反であることを知りながら、北支部防衛につかなきゃならないところを無断で抜け出して、猫耳パーカーの所へ向かったんだ。
だからコイツのやり方は間違っちゃいない。機関則がどうのこうの以前に、コイツはコイツのやるべきをやったんだ。それなのにルール違反とかいう、そんな薄っぺらい言葉でこの巫女たちを断罪するってのか。
クソが。もういい。どっちみち拗れるが、俺はここで我慢するほど出来た人間じゃねぇ。もうなるようになれだ。
「ははは。ルール違反ルール違反とそれしか言う能がねぇのかテメェは」
何も考えず、ただ胸底に渦巻くどす黒い感情を、頭の中に浮かんだ言葉そのままに写して吐き捨てる。予想通り、ポンチョ女の眼光が光った。明確な敵意が、視線から痛いほど伝わってくる。
「いやぁ……コイツらにも事情があったろうに、それを汲み取らず機関則に振り回されてるとか、テメェはルールがないと生きてけねぇの? それがねぇと何が正しいか分かんねぇとか言っちゃうタチか?」
「みんながまもってこそいみがあんだよ、だれかがみだせばそこからなにもかもがほころびる。ただのむほーになりさがる。そこにただしさなんかあるわけねーだろ。だからルールってのがあんだよ」
「ハハハ!! 要するに自分で何が正しいか決めるだけのお頭がないヴァカってことですね分かります!! よくもまあその程度で先輩ヅラできたよなー、無自覚って怖い怖い」
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