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ソファを蹴り壊し、テーブルを突進で踏み倒すと、一瞬でポンチョ女の胸ぐらを掴むが、同時に黒光りした巨大な何かが俺の身体に強く巻きついた。百足野郎の邪魔くせぇ尻尾である。
「やばい、むーさんよせよせよせよせ!!」
「澄男さまだめです!!」
気がつけば、右手に煉旺焔星を練り上げていた。背後からは御玲が振り上げた俺の右手を全力で押しとどめ、金髪野郎が百足野郎とポンチョ女の間に割って入る形で俺とポンチョ女を引き剝がそうと突っ張り棒のように立ち塞がる。
一瞬全てが真っ白に染まったと思いきや、御玲の一声で我に目覚めたわけだが、だからとこみ上げてくる感情がなくなったわけじゃない。
コイツをどうにか黙らせて、俺の主張が正しいって事を認めさせねぇと始まらねぇ。所詮話し合いで解決することなんぞたかが知れている。
さっきも言った気がするが、無理を通せば道理が引っ込む。結局は喧嘩の強ぇ奴の主張が正しい主張になるんだ。
「とりあえず落ち着け!! お前やむーさんがガチ喧嘩なんてしてみろ、この支部吹き飛ぶぞ!!」
「知ったことかよ!! 先に喧嘩売ってきたのはコイツだろうが!!」
「ざけんな!! テメーがナメたクチきいってからヤキいれてやってんじゃねぇか!!」
「ああ!? ヤキいれてやってるだぁ? テメェ誰に向かって口きいてやがる!! ヤキ入れてやるのはこっちだボケが!! 俺を怒らせるな!!」
「ちょ、だからマジでやめろって……!!」
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