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とりあえず邪魔なので執務室の扉を蹴破り、俺は一階のロビーへと降りていった。
「んだよアイツ!!」
澄男がいなくなった後、最初に口を開いたのはブルーだった。
テーブルは百代の手によって粉々になってしまったが、もしテーブルが無事だったら足で蹴飛ばすぐらいの事はしていただろう。執務室内の空気は最悪の状態だった。
「えーと……どこまで話したっけか」
「百代さんの処罰に関してですね」
未だ怒りに震えるブルーをよそに、レクは疲れ切った表情で話の内容を思い出す。
澄男によって話を滅茶苦茶にされたため、話題が吹き飛んでしまった。場を荒らすだけ荒らしてさっさと離脱していく自分本位さには毎度のことながら脱帽ものだが、とりあえず澄男の事は捨ておくしかない。優先順位を決めて、一つ一つ処理していくのが一番の近道なのだ。
「そうだったな。とりあえず俺としてもブルーの言い分に賛成だ。悪いが庇う事はできない」
レクもまた、すんなりと自分の意見を述べた。
女アンドロイド戦のときは機関則の抜け道を探してくれた彼だったが、今回ばかりは情状酌量の余地がないとの判断らしい。かくいう自分も澄男の前では何も言わなかったが、百代を擁護する気は全くなかった。
確かに百代にもトトを助けたいという事由があったのは理解できるが、結局のところ百代が個人的な理由で勝手に南支部の都合に首を突っ込んだだけであって、自己責任の範疇を逸脱しない。
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