出会い 〜??〜

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出会い 〜??〜

大学受験が終わった開放感に任せて、桜で有名な公園をあてもなく散歩した。 「よおおおー高島〜」 声のある方を振り向くと、同級生の木川(きのかわ)がいた。周りには、同級生の集まり。 「イヤー今日で最後かと思うと、つい、寂しくなって〜せっかくだし?」 とかいう強引なやり方で僕も記念撮影に入れられた。 大学に入ったら、地元の難関校に進学する人もいれば、上京する人もいる。僕は上京する方だ。心理学に興味があるため、そこでとるつもりなのだ。でも、正直いつも元気な木川が寂しそうにしているのに驚いた。普通は「みんな!思い出残すぞ!」とでも言いそうなのに。 それからいろいろ喋った後、 「このあとどっか寄る?」 と、ご飯の話になった。今はちょうど昼ごろだ。 「僕は用事があるんで…」 と断った。なんとなく、人混みを避けたかっただけだが。 僕がここに来たのは、上京するのが寂しいからかもしれない。スマホでは繋がっていても、別々のところにいるみんなを集めるのは難しい。ほんとに最後の人だっている。そんなことをぼーっと考えながらさっき来た道を引き返して帰ろうとした。すると、隣にキーホルダーが落ちているのに気がついた。後ろにはちっちゃく『春宮 柚』と書いてあった。ふと前を歩いている人に気づいた。きっとこの人が落とした。そう思って声をかけようとしたが、軽度の人見知りの僕に勇気はでなっかた。(そういえば合格発表の時にいた気がする…)大学内で返せるかどうか、そこも微妙だけど… しかし、もちろん僕はこのちっちゃなキーホルダーが僕と彼女の運命の赤い糸となることは、知らなかった。
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