あー、あの日の わいの冒険 1年生 その10 「スーパー焼きイモ大作戦」

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 私は、なんとか問題を10個作って学校に持っていくと、頑張ったかいがあって7個採用になりました。  そして、自分の作った問題は自分で読む事に……  ゲッ! そんなら、頑張らん方がよかったんちゃうん? 私、人前で喋るの苦手やのに……トホホ。  なんて考えながら、当日、落ち葉拾いが始まりました。  高学年になると、住宅地の道路も行いますが、私達4年生までは近くのちょっと大きな公園が担当です。体操服姿になり、軍手をはめてゴミを拾う係と、落ち葉をかき集める係りに分かれます。  公園の小道にはいっぱい落ち葉が溜まっていました。歩くとガサッがサッという音とともに、小枝を踏むパキパキという音が響きます。風が吹くと、ハラハラと小さい落ち葉がまだまだ落ちてきます。まだ、完全な冬という訳ではないけれど、曇った天気と冷たい風、葉っぱの落ちた寂しそうな木々に冬を感じます。……あれ、11月って冬だったかな? これ、マルバツクイズにすれば良かったかな?  ま、とにかく。もう寒いと言う事です。  ブルっときました。 サムッ!!  寂しい公園も1、2年生が来ると途端に賑やかになり、ワーワー元気になります。広いと言っても1周300mほどの公園の小道。みんなでやればすぐ終わりそうです。  私は友達と一緒に、熊手で落ち葉をかき集めます。  数分もやると、大きな落ち葉の山ができました。 「カサカサ山やー」  一際、賑やかな声が聞こえてきて、向こうでは笑い声が起こっていました。 「カッサ♪ カッサ♪ カッサ山~♪」  見ると集めた落ち葉を、バリバリ勢いよく踏んづけて遊んでいる1年生たちがいます。落ち葉にダイブしている子まで。 見ると……  なっちゃんたちやん。  目眩がします。  あいつ……  もう、いややーーーーーーーー。 「芽生ちゃん、どないしたん?」  一緒に掃除していた、田野(たの)陽子(ようこ)ちゃんが心配して声をかけてくれます。 「なんでもないよ。もうちょっとあっち行こう」  チラッと、もう一度なっちゃん達を見ると、担任の山本(やまもと)一絵(かずえ)先生に怒られていました。  あー、恥ずかしい。  本当にあいつは……  私は逃げるように、なっちゃん達から遠ざかりました。  それから数時間、私たちは真面目に一生懸命落ち葉を集め袋に詰めて学校に持って帰りました。  学校に戻った私たちは、落ち葉を校庭の中央に届けます。校庭ではもう焚き火が始まっていて少しあたると暖かくてホッとします。でも、そこから離れると、落ち葉拾いで少しかいた汗が冷えて寒いです。 「はぁー、やっぱり室内でやる。塗り絵大会の係りが良かったなー」  と独り言を言い、校庭脇の手洗い場に行くと、ひとり靴をジャブジャブ洗っている男の子がいます。  泣いているようです。  ……な、なっちゃんでした。
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