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それは幼い頃、曾祖母から聞いた遠い昔話──。
大神様の願い事には決して人々は逆らえない──逆らえば村の全ては枯れ、命すら奪われると──。
「どうして神様なのにそんな怖いことをするの?」
「──ひとりぼっちの神様は寂しいのかもしれないねぇ……たった一人で生きてゆく、その気の遠くなるような長い、永い時間が……」
「ひとりぼっちは寂しいよね、きっと大神様も誰かと一緒にいたいよね。僕もひとりぼっちのお留守番は嫌い」
「みちはは優しい子だね、大神様もみちはみたいな優しい子が傍にいれはきっと寂しくないねぇ」
頭を優しく撫でてくれた曾祖母の温かい掌を今でも覚えている──だけれど、その顔は笑っているのにひどく寂しそうで──みちはは幼ながらにそれがとても不思議だった──。
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