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───ザワッと廊下が急に騒いだ
女子の黄色い歓声も聞こえる。
我が学校で知らない人はいないであろうイケメン3人組のご登場だ。
いつも皆の中心的存在の3人は俺と玲弥のように幼馴染らしい。
もはやアイドルのように扱われており、1人は周りに手を振っている。
ほんとに俺と同じ高校生なのだろうか。
その中心にいた人達は俺たちの教室、2年A組に入ってくる。
そう、まさかの同じクラス。
そのせいかいつもクラスの周りには人集りが出来ている。
初めの頃はソワソワして落ち着かなかったが同じクラスになってから数ヶ月たった今、もう慣れっこだ。
そして俺は目立つグループのその更に中心にいた人物、
通称王子にまた目を奪われた。
「秋夏っていつも王子のこと見てるよな」
「べ、べつに、いつも見てるわけじゃないし。それにあんなに目立ってたら見ちゃうもんじゃない?」
「いやいやいつもガン見してるの、おれ知ってるから。もう入学して一年以上経ってるから周りの反応にもなれるもんでしょー。」
"はぁ"やれやれとため息を玲弥つかれてしまった。
だってしょうがない。何故かは分からないけど、入学式で彼が新入生代表の挨拶をしている時からついつい見てしまうんだ。
思い出しながら見つめていると、王子がこっちを向いて、目がバチッと合った。
目、合っちゃった。
びっくりしてぼーっとしていると王子がニコッと目を細めて笑って見せたあと、自分の席に戻っていく。
見ていたことに気づかれたのではないかと手をバタバタさせながら慌てて目をそらすが時は既に遅し。王子が座ったあとだ。
「何変な動きしてんの」
「うるせぇ」
玲弥こそKYと言うやつというやつだと思う。
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