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最悪だ。
放課後、玲弥と2人で家に帰る途中で
忘れ物を学校にしてしまったことに気づいた。
別にいいかなとも思ったけど、
明日までに提出しなきゃならないレポートだったからしょうがなく歩いてきた道を戻った。
はぁ、疲れた。
今度からは絶対に気をつけようと思いにふけている間に教室に着いた。
でも手をドアにかけたところで止まる。誰かが何か言っている声が聞こえるからだ。
声は1人分しか聞こえない。
電話か?
ドアに耳をピッタリとくっつけて誰の声なのかと耳を澄ます。
「ったく、マジでいい加減にしろよ!お前うぜぇんだよ。毎日毎日クソみたいな量の連絡してきてさぁ。別れるって前に行ったよね。あと普通連絡無視してんのでこっちが迷惑してんの分かるだろ」
おおぉ、修羅場?と言うやつか。
1人の声しかしないから電話っぽいけど。
入りにくすぎだろ。早く忘れ物取って帰りたいんだけど。
それにしてもうちのクラスにこんなでかい声で口が悪い奴いたかなぁ?
内容もやばそうだけど。
なーんか声は聞いた事あるし…
誰だろうか。
ちょっとした好奇心でドアを音を立てないようにしながらすこーしだけ開けて中を覗く。
だが、そこにいたのはまさかの人物。
"白樺 聖"
通称王子だったのだ。
は、まじで?
あの髪色。何度も見た後ろ姿。
間違いなくこの学園の有名人、人気者、王子。
もしかして結構やばい人だったり?
そしてこれを見ている俺はもっとやばい状況だったりして…
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