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第8話 あの時
「なに、嬉しそうな顔をしてるんだよ。この女は」
そこには筋肉ダルマ1人と、後ろに連れの男達が2人いた。
キタ~~!!お約束よ、テンプレ。
思わず私は興奮してしまった。
「全ての前に、汝我を存かすは万物の理」
「な、何を言っているんだ、この女は?」
「秘めたる思いをその翼に現出せよ」
「兄貴、やめましょうよ。酔って女に絡むのは」
後ろにいる男の連れが、やめさせようと声を掛ける。
「黙れ!俺はこのへんな格好をした女と話しているんだ」
「とうとう来たか、強者よ。やれやれ、仕方ない。かかってきたまえ」
私はロッドを男に向けた。
パンッ!パンッ!パンッ!
「はい、そこまで!」
そこには威嚇用の大型ハリセンを持った、組長アサシンがいた。
「いったい、何を騒いでいるんだい?デコピン」
「組長、この変な格好をした女が…、言ってる言葉も意味が分からないし」
「パメラさんのことかい。パメラさんは1人でサーベルウルフを13匹、倒せる実力の持ち主よ。貴方達では相手にならないと思うわ」
「13匹だって!それは嘘だ」
「嘘じゃないさ、デコピン。丁度、素材解体が終わったはずだ。見て行くがいいさ」
「それなら見て確かめてやる。俺達サンピンとスカンピン3人でも、集団で行動するサーベルウルフなんて、手を出さないからな」
そう言いながら私達は、みんなでゾロゾロと解体コーナーへ向かう。
「おい、ラザール。サーベルウルフの解体は終わっているかい?」
「あぁ、組長か。丁度終わったところさ」
私は預かり書をラザールに渡した。
「解体手数料を引いて1匹4万てところだな。13匹だから52万だ」
「「「 52万!! 」」」
私に着いてきた3馬鹿トリオが驚いている。
月の平均収入が10万も、無い人が多い町で52万は大金だった。
「はいよ、確かめてくれ」
私は金貨を渡されマジック・バッグに収容する。
「「「 マジック・バッグ!! 」」」
更に3馬鹿トリオは驚いている。
そして解体場の山積されたサーベルウルフを見て、口をぽか~んと開けていた。
「わかったかい、お前達。パメラさんは見た目は華奢だが、これだけのことが出来る魔法使いなのさ」
「魔法使いではありません。魔女です」
「あぁ、そうだ魔女(魔族の女)だったな。魔法使いと同じ扱いにして悪かったな」
いや、同じでいいすけど。
すると3人組の男達の後ろにいた方が近づいてきた。
「いや~さっきはうちの兄貴がどうも。あんたに絡んだのが長男デコピンで、俺は弟のサンピンと、あいつは一番下のスカンピンだ」
あんた達の親の名前付けが、適当過ぎるわい!
「昨日は狩りをしてお金が入ったから、今日は休みにして朝から飲んでいたのさ。兄君普段はあんなじゃないんだけど」
「良かったわね、あんた達。私が止めなかったら、大変な事になっていたわよ」
「「「 大変なこと? 」」」
「パメラさん、あんた絡まれた時、やる気だったでしょ」
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