第9話 昆布

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第9話 昆布

「パメラさん、あんた絡まれた時、やる気だったでしょ」  アサシン組長に聞かれた。 「う~ん。お約束には、やはり答えないと行けないと思うわ」 「お約束て、どういう意味よ」 「簡単に言うと冒険者ギルドでは、新人が来ると毎回、絡まれると言う展開があるのよ」 「毎回?」 「そうよ。でも誰も絡んでこないと、気負って入って来た方が肩透かしをくらうの」 「絡んでくれないと駄目なの?」 「それがお約束だからよ。そして見事絡まれると、ギルド内は喧嘩両成敗。命のやり取りをして殺めても罪にならないのよ」 「そんな意味のない殺し合いなんて」 「でも絡まれた方が実はとてつもなく強くて、絡んだ方がやられてしまうの。そしてやられた方は身ぐるみ剝がされて奴隷落ちよ」 「そ、そんな。冒険者ギルドのある街では、非道がまかり通るのか?」  デコピンは叫ぶ! 「そうよ、それがお約束よ」 「それを乗り越えたものだけが、冒険者になれるのか!なんと厳しい世界なんだ。よかった俺達は、猟師組合のある町に住むことができて!」  サンピンもスカンピンも一緒に叫び出す! 「しかし本当にこのお嬢ちゃんに、そんな力があるのか?」  デコピンが言う。 「試してみる?」  するとパメラの周りに風が起こり、銀色の髪が舞う。  右手の手のひらに、バレーボールくらいの大きな風の塊が出来る。 「わ、わかったわ。ほらあなた達も謝りなさい」  アサシン組長が、慌てて言ってくる。 「俺達が悪かった」 「ごめんよ」 「もう絡まないから、許して」  3兄弟はパメラに謝った。 「いいわ、許してあげるわ」  ふぅ~。  危なかった。  血の雨が降るとことだったわ。  しかしあの子は、どこに住んでいるのかしら?  アサシン組長は安堵の、ため息をつくのだった。  私は猟師組合を出て、海辺を歩いている。  潮の香りがして良いわね。  ダーリンが、海を見たいて言ってたのも分かるわ。  あれ?  あれはなにかしら。  こ、これは!  パメラは波に流れて来た、昆布を数本拾った。  そして雑貨屋で、ある物を買った。
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