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「それが、……その……、兄貴が借金を作ったカジノは自分で作った借金は自らの手で返すってのが信条らしく、返済期限を過ぎた場合、他人が肩代わりしようとしても、基本的に受け取らないってことらしいっす……
。なので、姐さん、どうか、どうか、兄貴を助けて下さいっす!! この通りっす!!」
ランテ君は再びガメッツさん同様に額を床に着け懇願してきます。
──…………そうですね……
……、ランテ君にはいろいろとお世話になりましたからね…………。
「──わかりました。ボクはランテ君がそこまで頼むのでしたら、ガメッツさんのその借金、払ってもいいですよ」
「──マジか!? 助かったぜ、嬢ちゃん!」
ボクの言葉にガメッツさんは顔を上げ、目を輝かせますが、まだ終わりではありません。
「──ただし、お金の管理はボクが預かってますが、所有権はボクと良藍とサーハ君にあります。なので、ボク以外の二人の許諾を得ないことにはお貸しできません!」
続くボクの言葉を聞いて、ガメッツさんはこの場に居る──つい今し方、ボクが口にした二人の内の一人のサーハ君へと視線を向け、
「──頼む、兄ちゃん!! 後生だから、金を貸してくれ!!」
ガメッツさんの懇願にサーハ君は、
「──…………う~ん、……
……………致し方ないですね……、私もマドカさんの意見に同意します」
悩んだ末にお金を貸すことに同意を示します。
残るは良藍。ボクの幼馴染みにして生涯を誓い合った伴侶の彼女は一筋縄ではいかないでしょう。何しろ、彼女は欲と好奇心の塊と言っても過言ではありませんからね。好奇心を擽られるような事があれば話は別ですが……。
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