5.相棒とは!?

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 この会社の誰も知らない、いや、専務と俺しか知らない黎琳の正体。  名前負けしてない顔立ちとスタイルから想像できないが、つらっと下ネタを連発するのだ。  それも、おっさん臭い下ネタばかり。 「せめて会社で下ネタはやめろ」  俺は頭を抱えて盛大にため息をついた。 「いーじゃない。凱人しかいないんだから」 「そういう問題じゃ――」 「――あーあ。いいなぁ。私も恋愛したいなぁ」  秘書らしからぬ、膝に肘を立てて頬杖をつく。 「すればいーだろ」 「めんどくさーい」 「なんだ、それ」 「男は面倒臭いもの。そか! 女と恋愛すればいいのか。私、るりちゃんとならイケるかも」 「はぁ!?」 「女を顔やスタイルでしか評価しない馬鹿な男なんかより、私の方がよほどるりちゃんを理解して可愛がってあげられるもの」  黎琳は以前から、自分の容姿や職業に釣られて寄って来る男どもに辟易していた。  その上、幼少からの付き合いで気心の知れた誉ですら、顔とスタイルのいい女をとっかえひっかえだ。  誉が見た目にこだわるのは、黎琳を意識してるからだと思うけど……。  とにかく、面倒臭くしているのは自分たちだということに、二人だけが気づいていない。 「とにかく! 凱人ジュニアがるりちゃんのお口に合わなかったら教えてね? 私が優しく慰めてあげるから」  美人秘書の本気の微笑みに、背筋が伸びる。
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