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クラスの闇
まただ。
人は変われない。
どんな事があっても辞めることができないし変われない。
少し昔の話をしよう。
*
4月の終わりの頃だった。
クラスが変わって暫くたち、だんだん、クラスの中でグループができてきた。
大きく説明すると、“権力グループ”、“ひっそりグループ”、“独り組”だ。
この場合、権力グループは、クラスの中心の人間達だ。
ひっそりグループは、権力グループ程の権力は持ち合わせていないが、仲良しで学校生活の半数以上の時間を一緒にいる。
独り組は、グループではない。ただ、どこのグループにも属さない、所謂“ぼっち”だ。僕は数人のぼっちをひっくるめてそう呼ぶ。
虐めが起きるクラスの場合、大半のケースは主犯格が権力グループだ。
権力グループは権力を使い、権力の無いものを虐める。
権力がないものは、権力に従うしかない。
そんな決まりがうちのクラスでもやはりあった。
今回久野さんを虐めていた女子生徒達はやはり前も虐めをしていた。
虐めは陰湿なものから暴力まで色々だった。
皆助けることはしなかった。助けたいと思う人もいただろう。だが、できない。権力に逆らうと自分までもが権力の餌食になってしまう。だから僕も皆も助けられなかった。
そしたら、虐めの被害者の子が自殺した。死因は飛び降り。地面に頭から突っ込んだことによる脳の損傷だった。
放課後、虐めに遭っているときに飛び降りたのだろう。
事故のあった翌日、登校してきた主犯たちは皆顔が真っ青だった。血の気が引いていて授業中も怯えた顔で授業を受けている。
そんなことがあったのに、また虐め。
本当に懲りない。
そう一人で記憶を辿っている間に、彼女の涙は止まっていた。
悲痛な涙の痕は残っているが。
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