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きっと消えやしないけど、それでも傷を癒すために
3ヶ月経った。
僕はとある決心をする。
彼女の為に、革命を起こそう──と言うと少し厨二病な感情が刺激されるが気にしない、気にしない。
彼女の涙を見てしまって気付いたこの気持ち。
これは恋、なのかもしれない。初恋を奪われたことに少し苛立ちが沸くが彼女のことを考えていると不思議と馬鹿らしく思えてしまうのだ。
僕はまず彼女を放課後呼び出す。
「ねえ、少し協力して欲しいんだけどいい?」
「え、どうしたの?」
もう後戻りは出来ないが、彼女の為なら──。
「君の──虐めを止めたいんだ」
「っ!」
彼女は口元に手を当てて驚いている。僕は続けた。
「それで方法を考えたんだけど、その方法は君にとって少し辛いものかもしれない」
言ってしまった。
「、、、、、、、方法って?」
「まずは僕が君の──虐めに加担する」
僕の考えが少し読み取れたのか、彼女は希望を見出したように目に光を宿らせた。
「そして、虐めっ子達に取り入って仲間になる。そしたら自然とクラスの中でそこそこの権力を持つようになるだろ?最後に、虐めっ子グループ全員で学校をサボることを計画する。実行当日、僕だけ学校に行ってクラスのみんなに協力してもらうんだ。翌日来る虐めっ子達を無視してもらうんだ」
なかなか完璧ではないか、と自画自賛したくなるほどだ。この計画を知った彼女の反応は──。
「いいじゃん!」
「え?」
「だから、いいじゃん!最高だよ!」
そう言って彼女は僕に抱きついてくる。
異性──恋をしている異性に抱きつかれるなんて、僕は明日死んでしまうのだろうか。いや、まだ死んではならない。
「明日決行でいい?」
「うん!少し辛くても頑張るから!」
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