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かくご
「み、みんなを解放して、で、出ていってください」
カチャ、銃を構えました長身の黒ずくめ、
「銃を捨てろ、さもなくば撃つ」
「撃てっ、撃っちまえあのマスク女をっ!」
黒ずくめの女性は私に盗まれて誇りが傷ついたのか鬼の形相です。その怖さに子どもたちも泣き出しました。
「ほ、ほんとに撃ちますよ、うう、撃つからっ」
バキュンッ、銃声が幼稚園に響いた。
「キャッ」
私が引鉄を弾いたわけでも、長身の黒ずくめでもなく黒いワゴン車から出てきたボス呼ばれているおじいちゃんでした。
銃が宙を舞うと黒ずくめの女性はすかさず、私を地面に倒し背中に足を乗せ、左腕も掴まれ、
「サンキューッ、ボスッ」
「ったく面倒かけさせやがって」
私の後頭部に銃が。
「残念だったわね、マスクちゃん」
「あう、う〜」
「泣いてんのか? なら正解だね〜、あんたはあたしを怒らせた」
もう、おしまいです。この体制だと腕は痛いし背中に乗られてなんにもできない。
「吉田先生ーっ!」
「お前も動くな」
内田先生すいません。そしてウエノ君、エヒメちゃん、あなた達を無事に両親に届けたかったごめんなさい。それとお父さんお母さんこんなバカな娘だったけど生んでくれて、ありがとう。
私にはもう死を覚悟しました。
パタパタパタッ、
「ヒトゴロシー、ヒトゴロシー、イケナイ、イケナイッ」
鳥の······声?
「なんだこの白い鳥、邪魔だ」
バキュンッ、バキュンッと長身の黒ずくめが撃ったよう。そして天から声が、
「どんなご時世だろうとも、悪を栄えさせはしない」
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