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wish
霞んでいく景色 最後の力尽きる時
この腕の中に 君の姿はなく
ただ果てしない空の先 君の幸せを願いながら
静かにそっと命(せかい)を閉じた
誰も信じない野望を 誰も掴まない奇跡を
追い求めてただ 立ち上がった
ゴールなんてものはなく 吐き続ける吐息が
ただこの苦しみの 唯一の理解者
明日を生きた先人が 無駄な行為と嘆いた
それでも何も持たずに 前を向くだけ
終わらせたく無い運命 薄れる儚き記憶
この身が追い求めたのは 絶望なのか
歩み出した一歩を 止める理由がほしい
もう「今更だ」と 理由は見つからず
吐く吐息も凍りつき 先の見えないこの道で
この身尽き果てるかと 諦めた時
怯える手で触れた 優しく綺麗な手
ただありがとうの一言で 君は笑ってくれる
見てきた景色の全てを 朝が来るまで語った
ただ君の笑顔が見てたくて それでも旅立つ
いつか戻ってくるからと 空へと伸ばした手は
しかと君の心へ 「約束」を刻んだ
もう怖いものなんてない 目を閉じれば君の笑顔
さぁ見つけに行くんだ この先の奇跡を
どれくらい歩いただろう
太陽が身体を蝕み
息吹が体を打ちつけ
その先で見つけたものは・・・
奇跡というには程遠く あまりにもという程の現実
まるで鏡に映る自分の様に 全てを理解した
もう歩く術はなく ただその場で跪き
涙と笑顔の両方が 伝説の証
霞んでいく景色 最後の力尽きる時
この腕の中に 君の姿はなく
ただ果てしない空の先 君の幸せを願いながら
静かにそっと命(せかい)を閉じた
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