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この夜から3週間くらい、俺は仕事が忙しくてこの店に行けなかった。
ようやく一区切りついた日の夜、飲み屋に行くと、店には閉店の貼り紙が。
「うわっ、どういうことだよ」
「おう、知らなかったんか」
戸惑っている俺の後ろから、聴き慣れた声がした。振り向くと、常連客の1人、Cというオッサンが神妙な顔つきで立っていた。
「オヤジさんな、この前、脳梗塞で倒れちまったんだ。命に別状はなかったけど、後遺症がな……。もう、店には立てなくなっちまったんだと」
「そんな……」
まさか、ちょっと足が遠のいていた間にそんなことがあったとは。
「まあ、歳も歳だったしな。こればっかりは仕方ねえや」
それからCに誘われて、近くのスナックに行った。
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