陰キャヒロイン「インキャンディー」

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「あ、危ない!」 教室を飛び出した私は何かにぶつかった。人?ころころと転がるヘルメット型の豚のマスク。そのマスクが壁にぶつかってこちらを向いた。豚の目と視線が合った気がする。 (これだったらどう?) キラピカレッドの愛花ちゃんの声。どこから?なんてことは私は考えない。私の中には大好きな愛花ちゃんがいるのだ。 (やらないよ) 「あの、ごめんなさい。」 私にぶつかった人が豚のマスクを拾って頭を下げた。手にはマスクの他に、着ぐるみも持っていて大変そうだ。 (こんなのもありますが) (だからやらないってば) 私の中の愛花が語りかけてくる。どうやらヘルメット型マスクと着ぐるみで三上さんを助けに行け、と言いたいらしい。 私は正義の味方じゃないから。自分の中の愛花を振り払って走って家に帰った。なんてことはない。家に着くと学校のことは忘れてゲームに夢中になっていた。
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