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「町長!また女の子がさらわれました!」
「その女の子はどんな格好をしていた?」
「格好? はい、赤い頭巾に赤いスカート姿ともう一人は黄色い帽子に黒いサングラス、青いスカート姿で……格好で何か分かるんですか?」
「いや~何でもない!しばらく様子を見ようか」
「町長! そんなのんきなことを……」
その頃……
「エイホ!エイホ!」
「兄貴!今度の女の子、随分重いですね!
それに、変な子も付いてくるし、離そうとしても離れない!
ギャ~ギャ~泣きわめくし、仕方なくいっしょに連れてきましたが……」
「なぁ~に心配するな!何でも良いから連れて行けば、謝礼が貰える……フフフッ!」
「そうですね!」
「ホレ!サラマンダー様の所に着いたぞ!」
炎獣神サラマンダーの前で…
「サラマンダー様、女の子をさらって参りました」
「良くやった!
おい!そこの女の子…顔を見せてみろ!」
「イヤ~ン!」
「イヤ~ン!って、可愛いの~
ホレ!顔を見せろ!」
「イヤ~ン!ダメ!」
「ウム…隣の小さいの…お前の顔を見せろ!」
「イヤ~ン!」
「おい!お前達!女の子の顔を見せろ!」
「ヘイ!」
魔物達は女の子の顔をサラマンダーに見せた。
“バッ!”
二人は頭巾と帽子を取った!
「僕は勇者、厚揚げだ!」
「あっしは厚揚げ隊長の子分、ダイコンだ!」
「なんだ?お前達は…勇者か?
ハッハッハッ……女の子の格好をした可愛い勇者だな」
「僕達は貴方に会いに来た!」
「私に会いに? 何の用だ?」
「町の女の子をさらうのは止めろ!
そして、さらった女の子達を返してくれ!」
「女の子達を返せだと?
ならば、私の子供を返せ!
それまでは女の子達は返さぬ!」
「子供を返せば、女の子達も返すと言うのだな!」
「あぁ、そうだ! 但し、次の満月迄に連れて来るのだ!」
「次の満月迄?
分かった。貴方の子供を探してここに連れて来よう。
女の子達は無事なんだな!」
「約束しよう。子供を連れてきたら、女の子達を返してやろう」
こうして、厚揚げはサラマンダーに子供を返す約束をした。
町へ戻った厚揚げは町長さんと相談した。
「町長さん、サラマンダーは子供を返せば、女の子達を返すと約束してくれた。
子供を探す手掛かりはありませんか?」
「あの…」
町の男が…
「あの…最近見慣れない男が町でウロウロしているのを見かけます。
一度、跡を着けたら、炎炎山の裏の洞窟に入って行きました。
中には魔物達がいっぱいいて、怖くなってすぐ帰って来ました」
「ウ~ン…もしかしたら…サラマンダーの子供はそこに居るのかも知れない!」
「隊長!子供が捕まっているのかも?
助けに行きましょう!」
「まぁ待て!相手の魔物達は炎を操る魔物、また殺されてしまう!
何かいい手はないのか?」
「厚揚げさん、この町から歩いて三日の所に“セクアナ”という泉と癒しの女神が居ます。
頼んで見ては?」
「町長さん、セクアナの所まで歩いて三日、次の満月迄は五日、間に合いません」
「困ったな~」
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