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かくして、勇者厚揚げとスライム達の旅が始まろうとしていた…が
その前に……
天の声が……
「あっ、それから厚揚げ君、あんたスライム達と戦うの嫌なんでしょう。
だったら、この子達家来にしてあげなよ!」
「あっ、ちょっと天の声様…家来は勘弁してくださいよ。私達はりっぱなスライムです。厚揚げの家来はちょっと……」
天の声は考えて…
「じゃ子分で…いいわね!」
「子分ですか…?」
「嫌なら家来で…」
「いや~子分で…はい!やります。」
「よし!じゃこれから君達で冒険の旅に出るのです。
そして、魔王を倒すのです!
良いですか?」
こうして、おでん 厚揚げとスライム達の長い旅が始まった。
厚揚げは…
「ところで、天の声さ~ん!」
「…………」
返事がない…
「天の声さ~ん…か○子さ~ん!
聞こえているか~!」
「何よ!か○子さ~んて呼ばないで!」
「分かったよ。天の声さ~ん!」
「何よ!」
「あのスライム達にも名前付けてくれないか?
スライム1,2,3とか、変じゃない?」
「そうね~、う~ん…ダイコン、ちくわ、たまご、ごぼてん、コンニャクでどう?」
「完全におでんの具だな!」
「嫌?」
天の声は不機嫌そうに聞いた!
「いいよ、どうせ……」
「どうせ?何よ!」
「いや、何でもない」
勇者は天の声に逆らうのをやめた。
勇者達の旅は続いた。
ぞろぞろ、がやがや。
ぞろぞろ、がやがや。
「おい、ダイコン…随分歩いたな!」
「親分、もう三日間歩きっぱなしですよ!」
「おい!親分はやめろって何回言えば分かるんだ!」
「だって…親分!…分かりました。
じゃ、隊長で…」
ぞろぞろ、がやがや。
ぞろぞろ、がやがや。
「ダイコン!なんだ!この“ぞろぞろ、がやがや”は……」
「へい!スライムの子分達が歩いている音です!」
「それは分かってるんだよ!
何故?こんなに沢山のスライムがいるんだい!」
「へい!皆子分達で…」
「だから、何故増えているんだ!」
「いや~それは…」
「何匹いるんだ?」
「へい!35匹です!」
「やっぱ、多過ぎだろう~」
「そうですか?」
勇者は天に向かって!
「お~い!か○子さ~ん!」
「その名前で呼ぶなって!」
「ごめん…ごめん」
「な~に?」
「実は……」
厚揚げはスライム達が増えて困っている事を伝えた。
天の声は、
「それは、勇者のあんたが悪い!」
「何故、僕が悪いのですか?」
「あんたさ~戦うの嫌だって言って戦わないだろう~だから皆あんたの子分になったんだよ!」
「でも、それは…」
「スライム達と戦って追い払うかい?」
「う~ん……」
「な、出来ないだろう~」
天の声はしばらく考えた…
「よし!分かった。もう少し先に村があるから…着いたら何とかしよう。
いいな!」
「分かったよ。本当に何とかしてよ」
「ああ…」
勇者達は村を目指して旅を続けた。
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