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半年が過ぎた……
「あぁ~今日も楽しい一日だった!」
「隊長!今日もご苦労さまでした!」
「あぁ~、ダイコン達もご苦労さま~今日も平和な一日だったね」
「隊長、夕日が綺麗ですね~」
「おい! コラ!」
「なんか声がするぞ?」
「なんか? じゃないわよ!
なにやってんのよ!」
「えっ、なにが?」
「えっ、なにが?って…ボケてるの!」
「あぁ、天の声か~」
「あんた勇者でしょ!何でいつまでもこんな所に居るのよ!」
「もう、ここで暮らそうかな?って…」
「あぁ~もう情けなない!世界は勇者を待っているのよ!
ちょっと私がお風呂に入っている間にいつまで村に居るつもりよ!」
「えっ、お風呂に入っていたの?
半年も?」
「あっ!お…お風呂ね…もちろん半年も入ってないわよ!
あなた達の世界と私の世界じゃ時間軸が違うのよ。
私がお風呂に入っている時間がそちらでは半年位なの!」
「やっぱりお風呂に入ってたんだ!」
「あ~!もうそんな事はどうでもいいの!
何故、旅に出てないの?」
「ここが居心地が良くて…ヘヘヘッ」
「ヘヘヘッ…じゃないわよ!
明日の朝、旅に出なさいよ!いいわね!」
「えっ~~~!」
と、言う訳で明日旅に出る事になった!
「お~い!みんな~!
僕は明日から旅に出る事になった。
朝、五時に出発するから村の入口に集合してくれ!
よろしくな!」
“おお~~~~~!”
朝の五時…
誰も来なかった!
村長さん達が見送りに来てくれた。
「厚揚げさん、村を生き返らせてくれてありがとうございました。
このご恩は一生忘れません」
「村長さん、長い間お世話になりました。アイツら…スライム達の事よろしくお願いします」
「厚揚げさんはこれからどちらの方向へ向かわれるのですか?」
「分からないよ!……魔王の居る所かな」
「そうですか。体に気を付けて!」
「ありがとう。じゃ!」
“タラタラ ラッタッタ~”
「んっ! 何の音だ!」
“厚揚げは、村長のスキルが上がった”
“厚揚げは、レベル2になった”
「わ~い!村長のスキルが上がった~ってなるか!
なんなんだよ!村長のスキルって!
僕のレベル2かよ!」
「仕方ないわよ。厚揚げ戦わないんだから~」
「あっ!天の声さん」
「厚揚げ……みんなは…そうか…勇者は孤独だな…」
「か○子さ~ん…僕は一人で……」
「また、新しい仲間が出来るさ!
頑張れ!厚揚げ!」
「はい!僕…僕頑張ります!」
「ところで、前から気になってたんだけど… 厚揚げちゃん、いつも手ぶらなんだけと…怖くないの?」
「えっ!僕…手ぶらだったんですか?」
「自分で気が付かなかった?」
「気付きませんでした」
「厚揚げちゃん、手ぶらでぶらぶらはさ~散歩だよ!厚揚げちゃんは長い間散歩してたんだよ!」
「ガ~ン!……今まで散歩だったんだ!」
「厚揚げちゃんにいいものあげるよ! はい!」
厚揚げはお鍋とお鍋のふたとお玉をもらった。
「戦うのは嫌でも、自分の身は自分で守りなよ!
お鍋は頭にかぶって、ふたは盾の代わりになるし、お玉は……何かの役に立つ!」
「天の声さんありがとう。こんなにも僕の事を心配してくれて…ウゥ…」
「いつも応援しているからな」
「隊長~~~!」
「んっ、誰だ~ あれは、ダイコン!」
「ハァハァハァ…隊長…あっしは隊長について行きます!」
「ダイコン!いいのか?」
「はい!隊長にはあっしがいないと……」
「ダイコン!」
厚揚げとダイコンは抱き合った!
(よい子のみんな、ハグですよ~)
“タラタラ ラッタッタ~”
ダイコンはレベル3になった。
ダイコンはお助けスキルが上がった。
「えっ!ダイコンて僕よりレベルが上だったんだ~」
厚揚げは落ち込んだ。
「ダイコン!レベルアップおめでとう。お前には、これを授けよう」
“ジャ~ン”
「おお~これは、勇者の剣!」
「えっ!勇者…僕の……」
「違う違う!それは、エルフの剣だ!
軽くて使いやすい!」
「なんだ…勇者の剣じゃなかったのか…ありがとうございます」
「仲良く旅をするんじゃよ」
「はい!」
「か○子さ~ん、これから僕たちはどの方角へ進めばいいのでしようか?」
「ちょっと…待ってね」
“ペラペラ ペラペラ”
「何見てんだよ……」
「いいから……」
“ペラペラ ペラペラ”
「あったわ!
あっち!東の方角……
あっちには、氷の女王がいる!
化粧が派手で着ている服も派手だそうだ!両足には鋭い刀を付け、氷の上をまるで踊っているように滑るそうだ!」
「ちょ…ちょっと…待って!それって“真央ちゃん”じゃないの?」
「なんだ!厚揚げ知っているのか?」
「真央ちゃんはちょ~有名で魔王じゃありません!
フィギュアスケートが凄く上手な女の人です!」
「あっ、そうなの?」
「はい!失礼ですよ!」
「分かったわよ! 少し待ちなさい!」
“ペラペラ ペラペラ”
「何を見てんだよ!」
「こっちね!西の方角…
農家の横にでっかいドーム型の城を築いているらしいの!
体は真っ赤でブツブツがあって……」
「ちょ…ちょっと…待って!
それって、“あまおう”じゃないの?
福岡のイチゴ“あまおう”よね!
魔王じゃないよね!」
「…………」
「あっ!用事を思い出したわ!
どこへでも好きに行けば~」
「おい!コラ! か○子!出て来い!」
シ~ン
「逃げられたな…」
「隊長!とにかく、真っ直ぐ進みましょう!」
勇者厚揚げとダイコンの旅は続く……
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