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「さぁ、着きましたよ。
あそこが火山のふもと、“エン(炎)・ボー”の町です」
炎炎山。
時々噴火する山。
炎獣神サラマンダーが住んでいるとも言われている。
「厚揚げさん、この町には宿屋やレストラン、珍しい物が売っている雑貨店もあります。
防具や武器なども売っている店があります」
「こんな大きな町に来たのは初めてだな!」
「隊長、何か良いものがあったら買ってくれます?」
「あぁ、だが、僕たちお金が無いからな~」
「隊長!魔物達が落としていった宝石は売れないんですかね?」
「分かった。お金と交換出来る所を探そう!」
厚揚げ達はわくわくしながら、町へ入って行った。
「厚揚げさん、ちょっと町の様子が変ですね。
いつもはもっと人通りが多く賑やかなんですが……」
「本当ですね。人が余りいませんね」
「厚揚げさん、私達は商談の打ち合わせがあるので、ここで別れましょう。
後で、宿屋で合流しましょう」
「分かりました。では、後で……」
マカロニ一家と別れた厚揚げ達は宝石をお金に替えるため雑貨店へ行った。
厚揚げ達は雑貨店に入ったが、ここでも人がいなかった。
「こちらの店主は居ますか?」
「お待たせしました。
私が店主のコロンボです。
何か御用でしょうか?」
「私は旅の者で、厚揚げといいます。
宝石はお金と交換出来ますか?」
「はい、はい、出来ますとも…」
「よかった。助かります」
厚揚げは懐の宝石を出した。
サファイア、ルビー、エメラルド
合計 10個の宝石が出てきた。
「宝石は1個、金貨10枚です。10個あるので、100金貨になります。
よろしいですか?」
「えっ!そんなになるの?
お願いしま~す」
厚揚げ達は金貨を100枚手に入れた。
「ところでコロンボさん、やくそうやポーションなんて売っています?」
「厚揚げさん、やくそうやポーションなんてのは、他の世界のゲームのお話しですよ!ハッハッハッ!」
「そうなんですか?」
「こちらの世界のやくそうは、ハーブですね!
ポーションは……元気ハツラツ!のお薬でしょうか?
飲めばHPが回復なんて……ハッハッハッ!」
「やくそうはハーブですか…」
「あっ!そうだ!
HPが回復する物がありました!
食べれば、もりもり元気になる、
通称“モリゲンの実”があります。
それとですね!
こんなのもあります。
“ゲンナリの実”
食べればげんなり、やる気がなくなる実です。」
「モリゲンの実は分かりますが、ゲンナリの実なんて、買っていく人いるんですか?」
「物は使いようです。
役に立つ使い方をすれば良いのです」
厚揚げはモリゲンの実を10個、ゲンナリの実を10個買った。
ついでに、キャンプ道具とリュックサックも買った。
次に防具屋と武器屋に行った。
防具屋では、ダイコンにステンレス製の信長の兜と鎧を買った。
厚揚げは、マントを買った。
格好良さが少し上がった。
買い物を終えた厚揚げ達は、宿屋でマカロニ一家と合流した。
「やぁ、厚揚げさん…良い買い物が出来ましたか?」
「はい、色々と良い物が手に入りました」
厚揚げ達とマカロニ一家はレストランで食事を済ませて宿屋に戻って来た。
厚揚げ達は、宿を借りる事にした。
「今晩、宿を借りたいのですが?
空いていますか?」
「はい、部屋は空いていますが…もしかして…勇者様ですか?」
「はい、勇者の厚揚げと言います」
「そうですか…勇者様ですか……
実は…これまでにお泊まりになられた勇者様達は……部屋や廊下にある樽や壺を片っ端から壊して行かれるのです。
稀なメダルでも見つかるのでしょうか?」
「僕達はそのような事はしません。
安心して下さい」
「分かりました。では、お部屋をご用意致します」
その夜は久しぶりのベッドで良い夢を見た二人でした。
ちなみに、厚揚げは壺を割る夢を見てました。
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