1話

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「え、そんな。申し訳ないです」  作って頂くのはさすがに……と思い断る。それを近くで聞いていた焔が 「なら、嬢ちゃんにもいずれ作ってもらうから、俺と一緒に作ってもらうか」  私に言う。 「は、はい。料理は苦手ですが……仕事なので、一生懸命覚えますので、ご指導をよろしくお願いします」 「ははッ。かしこまるなよ、俺にも怜にも……」  焔が軽く笑いながら言うと、怜も続けて 「そうですね。あまり、かしこまられると僕もなんだか、緊張してかしこまっちゃいます」  フフッ。と同じように軽く笑って答えた。 「それでは、一緒に作りましょうか。調理場へ行きましょう」  怜は私に「こちらへ」と一言、私は焔と調理場へ行く。暖簾を潜り中へ入ると、怜は冷蔵庫からパフェの材料を取りに行き、それを調理台へ並べる。 「そうしたら、始めにホイップクリームを作る為に、生クリームを泡立てましょうか、さっそくボウルに入れて作ってみてください」  怜は私に氷の入った銀色のボウルと生クリームの入った容器を渡してきた。全く料理とは無縁の生活をしてきたので、ホイップクリームの作り方など知らない。
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