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2021年11月26日
家には誰もいない。
啓介の家族は書置きをして出ていった。
たったひとこと。
「ごめん」
啓介は思った。
父さん母さん。
仕事は続けれそうもない。
会社でも居場所がないかもしれない。
自殺しろとのメールや電話が会社にまでくる。
状況が状況なだけに会社も対応に困っている。
なので辞めようか迷っている。
自分が死ねば世界が救われる。
そう言われているけれど。
そもそも知らない人にそれを言われてすぐに納得できるかと言われれば納得できない。
自殺はしたくない。
啓介は心の中で叫ぶ。
「童帝のまま死にたくはない」
「童帝じゃなくても死にたくないけど」
残酷なる世界は残酷なままで。
啓介は、その日仕事を休むことにした。
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