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2021年11月27日
土曜日がやってくる。
クリスマスモードな街中。
啓介には関係ないことだった。
毎日のように送られてくる自殺の勧告メール。
ただただつらかった。
迷惑メール機能のサイトに行けない。
それは啓介がその手続きをしないように携帯会社が操作しているからだ。
ふとテレビをつける。
「橘啓介さんは自殺するでしょうか?」
「それはどうやって橘啓介さんを苦しめるかがキーポイントになるでしょうね」
啓介は思った。
この世界はここまで残酷になるのだろうか。
何もない世界。
何があるわけではない世界。
絶望の世界に生きる価値はあるのだろうか。
すると啓介の家の前に黒い服を着たモノたちが集まってきた。
そして問答無用でドアを開けた。
鍵は閉めていたはず……だった。
「こちらに来てもらませんか?
もちろん拒否権はありませんよ」
黒服のリーダーがそういった。
啓介はうなずいた。
ただただもう終わりにしたかった。
全てを終わりにしたかった。
100日後に死ぬワニ
もしも100日後に死ぬとわかっていたら。
あのワニは最後前笑えたのか。
そんなことを啓介は思った。
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