小晦日

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 彼は早速台所に行って昆布の検分を始めると、満足そうに言った。 「これなら良さそうだ。あとで電話するよ」 「うん……」  ふと振り返ると、彼は私の顔を覗き込んだ。 「……なに?」 「いや……何か、疲れてる?」 「え?」  長い睫毛を瞬かせて見つめられると隠してることがバレそうで、慌てて首を振った。 「さっきまで昼寝してたから、ちょっとぼうっとしてる、だけ」 「なら、いいけど。昼寝も少しならいいけれど、あまり長く寝るのは良くないらしいよ。でも休みに入って疲れも出てるのかな。年末で忙しそうだったし」 「あの、大丈夫だから……」  両手を振って言うと、彼は眉を寄せて困ったように見る。 「口うるさいかもしれないけど、心配してるんだよ。この間病院にも行っただろう?年齢的にいろいろ不調の出る時期と人からも聞くし。……君はすぐ無理するところがあるけど、具合が悪いとか、少しでも何かおかしいことがあればちゃんと話して欲しい。女性は言いにくいこともあるだろうけど、何でも聞くし必要あれば一緒に病院も探すから」 「……ありがと」  秋にちょっと不正出血があったから、毎年検診は受けてるけど一応婦人科行って診てもらっただけで、何も異常無かったというのも伝えてあるのに。
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