小晦日

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 義父は、妻と約束したのなら誰にも真実を話すことはないだろうし、伝えるなら自分たちからだけど、もともと感受性の強い人だからどう受け取ってどうショックを受けるか分からない。  様子を見ていつか必要だと思えたら伝えようと話した帰り際、義弟は言った。 「一応、お墓のある霊園の場所は教えてもらったんで。……どういう形になるか分からないけど、いつか行きましょう。皆で」 「そうだね」  ずっと長い間ねじれていたものが、いつか本来の流れになる時が来るといい。  西の窓が赤い夕焼けを映して、今年の残り少ない日も暮れようとしていた。   『小晦日』了
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