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「松村さん…。」
「あ、そろそろ周って呼んでよ。
それで許すから。」
「えぇ!
あ、周さんですか⁉︎」
なぜこのタイミングで⁉︎
「そうそう。うん、やっぱ名前だと、距離感が全然違うよねー。」
「…おい。」
「いいだろう? 親友の嫁になるかもしれないんだ。松村さんのままじゃ、よそよそしいだろ?」
「……」
「……」
よめ。
……話が、進み過ぎていませんか?
「……認めよう。
じゃあ、もう連れて帰るからな。」
そう言って、私の手をギュッと握って自動ドアへ向かった。
「あ、まだ後片付けが!」
「花ちゃん、後はやっておく。
ポットは店が開いている時ならいつでも取りに来てくれていいから。」
「す、すみません。」
「いや、お幸せに!
………寿貴!」
「…なんだ」
「ラスボスは、父上だぞー。
頑張れ〜。」
「……」
「……」
こうして、私達は松寿庵を後にした。
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